起
鍵山雛はここのところ憂鬱だった。その原因は自身の負傷と家庭事情にある。彼女は一月ほど前に重い荷物を持とうとしてぎっくり腰になってしまった。それ以来雛の腰の予後はどうにも良くなく、故に彼女は安静にして過ごす事が多くなりがちだった。
雛には結納を済ませた相手がいた。その男性と共に彼女が元々住んでいた古びた神社の母屋で一緒に暮らし始めてもう半年にもなる。しかしながら、彼は仕事に熱心に打ち込むのだけが取り柄の、家庭は一切顧みない類の人間だった。
単なる恋人同士の間柄では気にする事もなかった事柄が、いざ結婚を前提に共同生活を送ってみると許容できないと思えてしまうのはよくある事だ。だが、彼が露呈させたそれはかなり寛容な方である雛でさえ辟易してしまう程。所謂「亭主関白」というそれだった。
現状を例に取ってみれば、雛が怪我した事に対して心配することはあっても、それには家事の分担を買って出るなどといった行動は決して伴わない。あくまで「家事は女の仕事」という旧来の考え方を持つ人物であるらしい彼は、許嫁の身体の具合に頗る無頓着だった。
そういった彼の独善的な部分は、生活を共にしていることで必然的に回数が多くなりがちな夜の営みにも如実に表れ始めていた。
彼は雛がどう感じているかには一切興味がないようで、毎度許嫁の膣で自身が性感を得られることにだけ注力していた。故に中途半端な前戯と独り善がりな挿入が常だ。
そして雛がようやく快感を得始めたところで、毎度彼は一人で絶頂に至って行為を切り上げてしまう。元々性的欲求が強く溜まりがちな彼女は毎度不完全燃焼な形で終わってしまうから、その後の自慰も欠かせぬものとなりつつあった。
性格の不一致と身体の相性の不一致。これが現実に害を齎し始めていたことから、雛は結婚すべき相手を間違ったのではないか、という事に気付いてしまい、非常に憂鬱だった。
雛はこの日定期通院の為永遠亭へと赴いていた。彼女は腰の具合が良くなるまでは飛行禁止を言い渡されていていたから、通院にも大変な苦労をしていた。
「うーん……やっぱり治りがよくないわねぇ……」
「やっぱりまだ治らないかぁ……でも、もう一月にもなるよ?」
雛の腰部から臀部をぺたぺたと触診しながら患者の表情を窺っていた八意永琳は深刻そうな表情で息を吐いていた。
確かに雛の腰痛は一時期に比べればかなり回復してきている方ではある。しかしながら、永琳が期待した程度の治癒には至っておらず、医師の観点からすれば予後があまり良くないと診断せざるを得ない状態だった。
その診断結果を聞いた雛も
「できれば、挙式までには治って欲しいところなんだけれどね……」
まだ治らないのかと不安気な表情を浮かべていた。
「んー……。あ、そうだ。塗り薬や湿布だけでなく、按摩も試してみたらどう? いい腕の按摩師を紹介できるわよ」
溜息を吐く雛の様子を暫く眺めていた永琳が提案したのは、人里で怪我の治りに効くと今俄かに評判となりつつある按摩師に施術を受けてみてはどうかというものだった。
その施術は永琳としてもお墨付きを与えているようで、彼女の言では既に医学的処置では治りが悪かった数名の患者を転院させているほどで、治療実績は十分にあるようである。
雛は永琳の口から語られた按摩師の名に心当たりがあった。そして彼女は現状の対処療法的な治療に対して手詰まり感も自覚していたことから、
「わかった。じゃあ、ちょっとこれからそこに行ってみようかしら」
永琳からの提案を呑む事を決した。
永琳から飛行禁止を解除されなかった雛は、時折小休止を挟みつつ腰を労りながら医師からの紹介状を携えて按摩師が診療所を構える人里の一角へと足を向けていた。
そうやって時間をかけて歩いてきたものだから、雛がそこへと辿り着いた頃にはもうすぐ日が暮れそうであるという時間に差し掛かってしまっていた。
丁度施術を終えたらしい老年の女性が按摩師の男に対して丁寧に礼を言っている場面だった。雛は老婦人がその場を後にして一つ息吐いた彼に
「穣くん、おひさしぶり! 元気だった?」
親しみを込めた笑顔を浮かべつつ声を掛けていた。
秋穣子の長子である穣は、父方祖母が営んでいた仕事を継いで開業してより六年程の、里では評判の腕を持つ按摩師だった。永琳が予後が良くない患者に対して彼を推薦しているのも、彼の腕を見込んでのことだ。
雛と穣子は親友と言って差支えない間柄だ。当然その息子である穣とは、彼が生まれた時からの付き合いだ。
「え、っと……? 雛、さんは……今日はどうしてここへ?」
「実はね、ちょっと前にぎっくり腰やっちゃってね……で、永琳からこちらを紹介されて」
雛が訪ねてくる事自体が青天の霹靂だったらしい穣が訊ねる。彼女はそれに頬を掻きながら永琳からの紹介状を彼に手渡した。
「ああ、なるほど……永琳先生からの紹介か。彼女が匙を投げるってくらいなら、確かに大変でしょう。わかりました、中へどうぞ」
雛の話から事情を把握した穣は彼女を自宅を兼ねた診療所の中へと誘う。彼女はそれにおずおずと従った。
雛を診察室へと通した穣は彼女に上着を脱いでおくよう指示を与えると玄関の扉に「本日の診察は終了」と記された札を掲げて、戸に閂をかけていた。彼は時間的にも彼女が本日最後の患者になるだろうと考えていたから、そういった行動に至っていた。
穣が施錠の所作を終えて遅れて診察室へ入ると、先に入っていた雛が丁度衣服を脱ぎ終わっていたところだった。
「わ、わっ……す、すみません……」
如何に幼馴染という間柄であるとはいえ、妙齢の女性の下着姿を目にしてしまった穣は反射的に謝罪を口にしていた。
しかし雛はそれを気にするでもなく、豊満な乳房を包む胸部に赤いレース生地があしらわれた、下半身の肌色が随所で透けて見える黒のレース生地で出来た上下お揃いの妖艶な下着姿のままで室内に置かれていた診察台へとうつ伏せに横たわる。
雛としては見せる相手を幼少の頃から知っていて気心も知れているという事もあって、すっかり油断して殊更恥じらいも抵抗感もなく下着姿を晒してしまっていた。
一方普段からご老体ばかりを相手にしている穣には、うら若い女性のような魅惑の体つきを維持している雛の姿は、女日照りで性的欲求が溜まっているということもあって目のやり場に困ってしまう程には非常に魅力的に映っていた。
幼馴染の下着姿が眺め放題の状態になっていることで、彼は思わず生唾を呑み込んでしまっていた。その彼に
「それじゃ、お願いするね」
施術を受ける準備が整った様子の雛が穣に声を掛ける。
催促されてしまった以上手を拱いている訳にもいかない穣は、これは治療であってやましい事は何もない、とそう自らに言い聞かせると、意を決して雛の身体に触れ始めた。
雛の身体は思った以上に強張っていた。それを一先ず解す事に専念していた穣は時折彼女が心地よさから発する艶の混じった吐息にどぎまぎさせられながらも、順調に施術を続けてゆく。
一通り患者の身体の強張りを解し終えた穣は改めて永琳からの紹介状に目を通す。それを見る限りでは腰部から臀部に掛けて重点的に施術を施さねばならないようだ。彼は内心胸を高鳴らせながら、これから行う施術の為に下半身に触れる必要があると雛に説明する。
雛も施術の為ならば止むを得ないと理解していたから、穣の申し出に小さく頷く。患者の了承を得た彼は、一言断るといよいよ彼女の尻の肌色がレース生地越しに透けて見えるショーツの上から手を当てて尻を揉み始める。
穣が腰回りや尻に対して重点的に施術を行ってゆく。暫くすると雛は悩ましい艶のある溜息を吐き始めた。それは心地よさからのものとは明らかに声質が違う、男の官能を刺激する嬌声に近いものだった。彼もそれを耳にして自身の股間が熱く疼くのを感じていた。
穣は雛が結納を済ませて来年初頭に挙式を行うという事を風の噂で聞いていた。だから、彼女の夫となる人物を羨みつつ、彼女の乱れ気味の吐息に時折混ざる甘い声を必死に聞き流して粛々と施術を続けていた。
そうして実が更に暫く雛の臀部を揉み続けていると、彼女の尻を揉む度にレース生地が多用され尻の肌色が透けて見えている黒いショーツのクロッチから水音が鳴るようになってきていた。それは彼女が性感を得ているという疑いようもない証左だった。
穣としては施術に託けて性的な悪戯をしてしまうのは医療行為を業として行う者としては失格であると自覚していた。
然るに手を出そうと思えば容易に目的を達せられるという蠱惑的な状況に至ったことで、数年からの女日照りで性欲が限界だった穣はつい魔が差してしまった。彼は試しにと雛の際どい陰部に近いところを敢えて揉んでみる。すると、
「ふぅ、んぅっ❤」
それが存外に強い快感を齎したようで、彼女は期待以上の反応を見せた。
雛は与えられた性感でびくびくと身体を震わせている。その様子に、どさくさに紛れればもう少し彼女の気持ちよさそうな艶声が聴けるかも知れないと踏んだ穣は、雛のショーツに手を伸ばして、ぐしょぐしょに湿っているクロッチ越しに秘唇を優しく弄する。
「ふぁ、ぁっ❤ ん、ぅぅぅぅ、っ❤ はぁ、はぁ……っ❤」
穣の予想以上に雛は性感を得ていたようで、たったそれだけの刺激で彼女は容易に絶頂へと至ってしまった。思わず呼吸を乱して肩で息をする雛の様子に再び生唾を呑み込んでいた穣は
「雛さん……ちょっとすいません。治りを良くするために、正面の腿の付け根も、ちょっとやったほうがいいかも知れませんから……」
本来は不要である部位への按摩を提案する。雛は彼の言に小さく頷くと、艶が含まれた息を吐きながら快感で蕩けた表情のままで彼の指示に従って、施術台の上で体位を仰向けに転換した。
雛の両足を立てさせ、股間の様子がしっかりと確認できるような体勢にさせた穣は腿の付け根から恥丘にかけてをゆっくりと、だがしっかりと揉み込んで解してゆく。その刺激を受けた彼女は遂に吐息に嬌声を交わらせ始める。
いよいよ据え膳の状況に至ってしまった上にそれを喰わぬという選択肢を持たぬ穣は、快感を得てショーツのクロッチ越しでもはっきりと理解るくらいにぷっくりと膨れ勃った雛の陰核を、愛液で湿った薄布越しにぐりぐりと刺激してゆく。
不意に強烈な快感を与えられた雛は思わず
「ひぁ、ぁぁぁ❤ そこ、だめ、だめぇ❤ ん、んぅぅぅぅ、っ❤」
再び大きな絶頂へと至って身体をびくびくと震わせていた。
穣は今でこそ按摩師の仕事を真面目に勤め上げているものの、十年程前は放蕩していて、人里の一角にある楼閣にもよく足を運んでいたという過去を持っていた。彼はその過程で女を悦ばす手管を十二分に知り尽くしていた。
そんな穣からの優しく的確な愛撫を受けたことで快楽に溺れてしまった雛はいよいよ羞恥も婚約者への後ろめたさもかなぐり捨てて、気持ちよさそうに嬌声を漏らし始めていた。
穣の手によってぐしょぐしょに湿っているショーツのクロッチがずらされ、とろとろと蜜を溢れさせている秘唇に彼の指が挿入されても、雛は快感に溺れていてそれを拒絶することが出来なかった。彼女はそのまま快感に流されて、一際大きな絶頂を経験してしまう。
婚約者との性交でも味わえなかった今までにない快感を得た雛は、最早燃え上がってしまって収まりが効かない状態になってしまっていた。彼女は蕩け切った表情のまま息を荒げて、続きを期待して穣の顔を見つめている。
そんな雛の妖艶な姿を目の当たりにしたことで三度の生唾を飲んだ穣は、性欲の我慢の限界に達してしまったようで、いよいよ施術用の道着を袴を下履きごとずり下げると、既にはち切れんばかりに勃起していた一物を取り出して彼女の眼前に晒す。
「わ、わっ……す、ご……っ」
それは雛にとっては未知の大きさだった。だから彼女は目を丸くして驚いてしまった。彼女もまた、穣の逞しい一物を目の当たりにしたことで、それが膣内に侵入して来た時に得られるであろう快感を想像して生唾を呑み込んでいた。
穣が滾った肉棒を無言で雛の顔に近付けた。彼女もやはり無言で、だが興味深々といった様子でおずおずとそれを握って大きさや形を確かめ始める。
雛の手が雁首や幹を優しくかつ的確に刺激するため、穣は彼女の手の動きに合わせて快感で身体を震わせている。
暫く穣の様子を眺めながら肉棒を弄していた雛は、いつしかそれに自然と口付けて舐り始めていた。彼女の行動に呼応するかのように、彼も再び彼女の秘唇に手を伸ばすと膣内に指を入れてぐちゅぐちゅと音を立てるようにして攪拌し始める。
二人はそうして、快感を引き出すかのように互いの性器を愛撫することに熱中し始める。穣の手管によって程なくして再び大きな絶頂へと至った雛は気持ちよさそうに身体をびくびくと震わせている。
雛の気持ちよさそうな様子を目の当たりにしたことで、穣の脳内では次の段階へと進みたい欲望がどろどろと渦巻き出していた。
穣は意を決して、雛の口から肉棒を引き抜いて彼女が横たわる診察台へと乗りかかると、唾液でしっかりと濡れそぼった一物をショーツのクロッチがずらされて露わとなった彼女の秘唇に押し当てる。
「やぁっ、だめ……っ❤ みのるくん、だめぇ❤ お○んぽ、いれちゃ、だめぇっ❤ えっちは、だめぇ……っ❤」
雛はいよいよ肉棒を挿入されてしまうという事を悟って形だけの拒否の言葉を口にする。それが形式だけであると確信していた穣は彼女のそれを無視して少々強引に彼女の膣内へ滾った一物を押し入れてゆく。
とろとろと蜜を溢れさせてぬるついていた雛の膣は今まで経験した事のない大きさである筈の穣の肉棒をいとも容易くに根本まで咥え込んでしまう。
「ん、んぅぅぅぅ、っ❤ あ、ぁぁ……おっきぃ……❤ お○んぽ、すっごく、おっきぃ、よぉ❤ ひぁ、ぅぅっ❤ おく、まで……お○んぽ……❤ はいっちゃって、る……っ❤」
生涯で一度も性交で膣奥や子宮口を刺激されたことがなく、初めてそこを突かれた雛は、未知の感覚に目を白黒させて、未経験の途轍もない快感に思わず嬌声交じりの感嘆の息を吐いていた。
「ここを、しっかりと刺激してあげると……美容にも効果が、あります、からっ!」
あくまで施術の一環であると詭弁を押し通そうとする穣に屈してしまっていた雛は、初めて得る快楽に溺れて、
「おく、しゅごい、よぉ❤ こんなに、きもちいぃの、しらない、しらない、のぉ❤」
素直にそれを享受し始めていた。彼女の膣は久々に得た肉棒から精を搾らんときゅうきゅうと締め付けてくる。それで段々と射精感が肉棒の根本からこみ上げて来ていた穣は少しでも長く久々の女体を堪能すべく、わざと緩急をつけて彼女を責めてゆく。
雛は穣から膣奥を抉る抽迭を受けて、もう既に何度も絶頂に至っていた。膣内に肉棒を挿入されて絶頂に至るという経験も初めてだった彼女は、本来の性交はこんなに気持ちのいいものなのだ、とはっきり思い知らされていた。
いつしか雛は穣の身体をきつく抱きながら、更なる快感を得ようと自らも必死に腰を動かして快楽を貪っていた。
雛も穣の抽迭に合わせて腰を動かし始めたため、彼の肉棒にはかなり強烈な刺激が与えられる。それで射精を堪え切れなくなった彼は
「うぅ、っ……めっちゃ、きもちいぃ、っ……もうすぐ……でちゃい、ます、から、ねっ」
射精を宣言して、快感で雛の膣中に垂れて来ていた子宮口に鈴口を擦り付けながら射精の態勢に入る。
「いやぁっ、だめ、だめぇぇ❤ みのる、くん、だめぇ❤ なかだしだけは、だめぇぇ❤」
雛は当然それを拒絶する。しかし子宮口にぐりぐりと肉棒の先端を押し付けられ奥を突かれながら
「なかに、せーし、だされた、ほうが……ぜったい、きもちいい、です、からっ……!」
穣に耳元で囁かれた彼女は再びの大きな絶頂が近付いてきたこともあってすっかり快感の波に押し流されてしまっていた。
「あっ、だめっ、また、イく、おっきいの、きちゃうぅ❤ イくぅぅぅっ❤ ん、んぅぅぅっ、ひぁぅぅっ❤」
遂に雛は数度目の大きな絶頂へと至って気持ちよさそうに身体をびくびくと震わせる。
「う、うぅ、っ……ひな、ちゃん……そんなに、お○んこで、しめつけたら、っっ……!」
穣も彼女の膣の動きに刺激されて彼女の膣内でほぼ同時に絶頂を迎えてしまっていた。
雛の膣奥ではどくどくと脈動しながら吐精する穣の肉棒から迸った精が、彼女の子を宿す臓器を白く染めてゆく。婚約者以外の精液を膣奥で浴びせられる感覚を得た雛は
「うぅ、お○んこの、なか……せーし、でちゃってる……よぉ……❤ はぁ、はぅ……❤ なかだし、せーし……あつくて、どろどろで……❤ すっごく、きもちいぃ、よぉ……❤」
恍惚の表情で膣内射精の余韻に浸っていた。
「ふぅ、ぅ……っ。これで、施術は、おわり、です……っ」
深く息を吐き出しながら穣が肉棒を雛の膣から引き抜きつつ口にする。栓を失った彼女の秘唇はとろとろと精を溢れさせた。溢れた白濁彼女の履いたままだった黒いショーツを白く汚していった。
雛はどうぞ身支度を整えてください、と穣から指示されてからも快感で暫くの間動けず、診察室の施術台の上で一人ゆっくりと乱れた息を整えつつ放心したままだった。
雛はつい快楽に流されてやってしまった、と少し後悔していたが、性欲が解消されているというのもまた事実だったから、どこか満更でもなさそうな複雑な表情を浮かべていた。
漸く動けるようになった雛は手渡されていた箱からちり紙を数枚取り出すと、それで秘唇やショーツのクロッチに溢れ出てべっとりと付着した幼馴染の精を拭ってゆく。
そうしてある程度の身体の清拭を終えた雛は、艶のある息を吐きながらずらされた下着の位置を元に戻し、上着を着込んで身支度を整えてゆく。
途中までは正しく施術を受けていたこともあり、確かに雛の腰痛はかなり改善していた。だが、まさか穣と一線を越え性交に至ってしまうとは露とも思っていなかった彼女は、未だ膣奥から溢れ出てショーツのクロッチを白く汚している精液の感覚を得て困惑しきりだ。
「お題は、身体で払って頂いたので……」
「あ、っ……」
身支度を終えた雛は玄関まで見送りに出て来た穣に施術料金は不要だと告げられた。それで先程までの乱行を思い出してしまったらしい彼女は頬に紅葉を散らしながら小さく頷いた。
またどうぞ。診療所の外に出る雛の背に向かって穣の声が掛かった。彼が再び建物の中に消えて行った事を確認した彼女は、再び艶のある溜息を一つ吐き出しながら、
「穣くんの、お○んぽ……❤ すごかったなぁ……❤」
精液がどろどろと溜まった下腹部を名残惜しそうに撫でて独りごちていた。
未だに穣の逞しい肉棒が膣を穿っているような、そんな奇妙な感覚を得てもじもじと太腿を擦り合わせながら帰路に就いた雛だったが、その最中にも彼女の膣奥からは、先程たっぷりと子宮に注がれていた彼の精液が溢れ出て来ていた。
ショーツのクロッチだけでは受け止め切れなかったそれは生地端から漏れ出て雛の太腿に白濁の筋を形成してしまっていた。彼女はその様が里の人間に露呈してしまわないだろうかと焦りを感じつつも、平常を装いながらそわそわと帰宅を急いでいった。
承
永琳の推挙通り、穣の施術を受けたことで雛の腰の具合は劇的に改善しつつあった。それは巷で流れる彼の評判が正しいという事でもあった。雛の腰が順調に治癒へと向かっているということもあり、早速彼女の婚約者は性交を求めて来ていた。彼女も自身の都合で待たせてしまっていたという後ろめたさがあり、それに応じるのは吝かではなかったから、二人は凡そ一月振りに身体を交えるに至っていた。
しかし彼の性交に於ける立ち振る舞いは相変わらずだった。中途半端な愛撫と独り善がりの挿入、そして雛の事を一切慮りはしない身勝手な射精。それでいて彼自身は行為が上手くやれていると錯覚している様子。期待を外された彼女は深く落胆せざるを得なかった。
そんな及第点も与えられない不満足な性交に終始されて不完全燃焼であった雛は満足気に寝台で寝息を立てる彼を恨めしそうに眺めながら溜息を吐いていた。
今まで経験した事がなかった「本当に気持ちのいい性交」をつい先日知ってしまった雛はどうしてもその時の経験と彼との性交を比べてしまう。
彼との性交は穣と交わった時のそれと比べれば明らかに劣っていると言わざるを得ない。それをはっきりと自覚させられてしまった雛の心には、もどかしさとやはり相手選びを間違ったのだろうか、という不安が過分に募ってしまっていた。
前回の永遠亭への受診から十日程が経過した。雛は腰の具合を診てもらう為に再び永琳の許を訪れていた。
「うん、かなり良くなったじゃない。やっぱり彼の医院に紹介して正解だったわ」
永琳もかなり症状が改善した雛の腰の具合を診て、穣の施術に太鼓判を押した。
「これならもう飛んでも問題なさそうね。通院も今後は彼のところに通うだけでいいわ」
医師から医学的な通院と飛行禁止の終了を告げられた雛は治癒が進んでいるという事をはっきりと実感して安堵の息を吐いていた。
「取り敢えずぶり返した時の為に痛み止めと塗り薬は一月分処方しておくけれど、多分按摩で何とかなる範疇だと思うから。彼がダメだって言った時だけ来てくれればOK」
永琳が優曇華院に処方の指示を出しながら今後の治療方針を雛に説明した。それは雛にとっても納得がいくものだったから、彼女は特に異論を挟む事なくそれを了承していた。
薬を優曇華院から受け取って診察代と調剤代の支払いを済ませた雛は、これから穣の医院へと出向いて施術を受けるつもりで永遠亭の外へと出た。
前回のように再びなし崩し的に性交へと至ってしまうのだろうか。そんな淡い期待を抱いていた雛は身体が熱くなるのを感じて頬を赤らめていた。彼女の秘唇は既に濡れそぼっていて、履いていたショーツのクロッチは溢れた蜜で湿りつつある。
雛は待ちきれないといった表情のまま、穣の職場たる医院へと向かって飛翔を開始していた。
雛が文字通り飛んで駆け付けると、穣の医院の待合室は施術待ちの老人で溢れかえっていた。その光景に面食らってしまった雛に、
「あらぁ、厄神様。あんたも施術を受けに来たのかい?」
待合室にいた老婆の一人が声を掛けてきた。彼女はその通りだ、と頷く。
「今日はどうもやけに混んでいてねぇ……。あたしもかれこれ一刻ほど待ちぼうけさ」
老婆から事情を語られた雛はそれを聞いて気後れしていた。この調子で待たされたなら、施術を受けられるのは間違いなく夕刻どころか夜になってしまう事は明らかであるからだ。
「あっ、雛さん!」
そこである一人の施術を終えて待合室へと戻って来た穣が雛の姿を見て声を掛けて来た。
「すごい盛況なのね」
「そうなんです。どうも季節の変わり目で節々を痛めてるご老体が今日は多いようでして……」
雛から繁盛している事を話題として振られた穣は、額に浮いた汗を拭いながら状況に即していると首肯して認めた。
「どのくらい、待ちそうかしら? この前みたいに……その、一番最後でも……良いのだけれど……」
「んー……ちょっと今日のこの患者さんの多さだと、診療時間内に捌き切れるかも怪しいですね……」
雛が期待を含ませて頬を赤らめながら問う。しかし状況を鑑みるに穣は彼女の期待に応えられそうにもなく、申し訳なさそうに頭を下げざるを得なかった。それを聞いた彼女は落胆の表情を浮かべてしまう。
「そうだ、お待たせするのもちょっと申し訳ないですし、すみませんが明日の訪問診療にさせて頂けませんか。今日のお詫びに、雛さんの都合を優先させて頂きますから」
困惑している様子の雛の様子に唸った穣は一つ代案を提示した。彼は週に二日から三日程を訪問診療を行う日と定めていた。丁度明日がその日に当たる。
穣からの提案は雛にとっても都合が良かった。何より彼がわざわざ出向いてくれるのであれば、色々と事前準備が出来るだろう。彼女はそれを考慮したうえで、思い切って彼の代案を是とする事を決した。
「それじゃ、明日のお昼過ぎですね。間違いなく伺いますので!」
訪問診療の予約を台帳へと記した穣は雛に小さく会釈すると次の患者の治療へと向かっていった。それを見送った彼女は一つ溜息を吐くと、自宅への帰路を急ぐ事にしてそそくさと今日はもう用事が無くなってしまった医院を後にしたのだった。
夕刻。塒としている古びた神社に帰宅した雛を出迎える者は皆無だった。彼女の婚約者は入婿となるための準備でこの日から年末まで約一月半程実家へと戻る事になっていたからだ。
雛は手持ちの荷物を自室へと置くとその足で浴室へと向かう。彼女は服を脱いで下着姿となると、ショーツを膝下まで擦り下げて秘唇が当たっていたクロッチの部分を触れて状況を確かめていた。
雛はこの日そこまで男の劣情を誘う凝った下着を身に付けていたわけではなかった。
だが、万が一同棲中の彼以外の男に見られてしまっても恥ずかしくないようにと気を配った雛は、花弁を象った意匠の刺繍が多用された上品さを持ち合わせている葡萄色の下着セットを敢えて選んで身に付けていた。
雛が永遠亭を出た時に感じていた通り、ショーツのクロッチは彼女の秘唇から溢れ出た蜜で湿ってしまっていた。それを確認した彼女は一つ溜息を吐く。
暦は霜月の半ばを過ぎた頃。そろそろ冬の寒さが徐々に表れてくるような季節だ。雛は人肌の温もりを切望していたが、生憎と同棲相手は不在である。彼女は寂しさを持て余していた。
軽く湯浴みを済ませた雛は普段二人で使っている寝台に一人横たわると、心音を高鳴らせながら寝巻用のストリングショーツに右手を忍ばせて自らを慰め始める。
前回婚約者と交わった時は不完全燃焼であったことから、彼女の性欲は我慢の限界に近付いていた。それを紛らわすべく、彼女は蜜をとろとろと溢れさせている秘唇に指を二本も挿し入れて快感を貪っていた。
「ふぅ、はぁっ……❤ すごい、よぉ……❤ お○んこ、きもちいぃ……っ❤」
雛は自慰に於いてでは指を膣に挿入して刺激することで絶頂に至る事ができる。だから彼女は普段欲求不満である夜には一人遊びで夜更かしをする事が多い。
だがこの夜雛が脳裏に浮かべていたのは、普段おかずに供している婚約者から丹念に愛撫されて高まるという妄想ではなく、幼馴染の逞しい肉棒で膣奥を突かれたという実体験だった。それを思い浮かべるだけで、彼女は普段よりも強い快感を得る事が出来ていた。
「イ、イくっ❤ みのるくんの、お○んぽで……❤ イっちゃうっ❤ ん、んぅぅぅっ❤」
遂に雛は婚約者以外の男の肉棒を妄想した自慰で絶頂に至ってしまう。それで今までで一番の快感を得る事が出来たことから、彼女は絶頂による余韻で表情を蕩けさせたまま、
「はぁ、はぁっ……❤ だめ、たりない……❤ みのる、くんの……お○んぽ……ほしい、よぉ❤ ひとり、えっち、じゃ……ぜんっぜん、たりない、のぉ❤」
幼馴染の肉棒でなければ満足できないという現状を自らに言い聞かせるように独りごちつつ、更に激しい快感を得るべく秘唇に挿し入れている指を激しく抽迭させてゆく。
雛は履いていた寝間着用のショーツが愛液でどろどろになって着替えの必要に迫られるまで、時間を忘れて延々と自慰に耽っていた。
流石に敷布も下着もぐしょぐしょになってしまったことで我に返って現状を顧みた雛は、大きな溜息を吐くと
「わたし、なに、やってんだろ……。これじゃ、なんか……わたしだけ、えっちしたがりの、ヘンタイさんみたい、だわ……」
空虚感に押し潰されそうになりながら、気怠そうに後始末へと取り掛かっていった。
翌日。雛はなし崩し的な性交の機会が必ずある筈と期待を胸に抱きながら午前中からそわそわと穣を待ち侘びていた。
昼過ぎに昨日の約束通り穣が訪問診療の為に訪れてくると、雛は彼を笑顔で出迎えた。彼女はそのまま彼を寝室へと案内する。
「さっそく、はじめる? 時間もそんなにないもんね?」
雛は穣が忙しい身であると勘ぐっていたからそう問うたのであったが、
「んー、大丈夫ですよ? 今日の訪問診療はもう雛さんで終わりですから」
彼は時間にたっぷり余裕があると彼女に告げる。それを聞いた雛は期待からついつい頬に紅葉を散らしてしまっていた。
「お洋服は、やっぱり脱いだ方がいいのよね……?」
「はい、すみませんがお願いします」
頬を朱に染めながら問う雛に穣は頷いた。艶のある息を一つ吐いた彼女は、意を決して普段着のワンピーススカートをゆっくりと脱ぎ始める。
雛が上着の裾を捲って脱いでしまうと、紺青色のレース生地で大半の部分が形作られた、生地端の随所に白い花弁の装飾意匠が施されている色香と気品さが同居する大人な佇まいの下着セットを身に付けた彼女の姿がいよいよ露わとなる。
その一部始終を施術の準備をしながら横目でちらちらと眺めていた穣は、雛のその姿が非常に魅力的であったことから、前回同様に自身の股間が熱くなってゆくのを感じていた。
穣としても前回のような幸運な事故が二度起こる事はないだろうと踏んでいたから、邪念を振り払うと早速雛に対して寝台に仰向けになるように指示する。
雛は穣からの指示に頷くと、ゆっくりと寝台に乗りかかってゆく。そこで初めて彼女の後姿を目の当たりにする事となった彼は思わず生唾を呑み込んでしまっていた。
「ん、こんな感じで、いいかな……?」
雛が寝台に身を沈めながら問う。穣の眼前には彼女の柔らかそうな安産型の桃尻が下着によって強調された状態のまま晒されていた。彼は思わずそこに今すぐにでも顔を埋めてしまいたいという衝動を抑えるのに必死だった。
「どっ、どうして、Tバック、なんですか……? すっごく、似合って、ますけど……」
穣は時と場合によっては猥褻だと断罪されても文句は言えない質問だと自覚しつつも、おずおずとその下着を択んだ理由を雛に問うてみる。それに彼女は
「その、ほら……このまえ、もむ時に……ちょっと、邪魔そうだったから……❤」
もじもじと身体を揺らしながら、尤もらしい理由をでっち上げて口にしていた。
もしかしたら誘われているのかも知れない。そう感じていた穣であったが、いきなり手を出す訳にもいかなかった彼は、性的衝動を抑えながら再び生唾を呑み込むと、
「そう、なんですね……。そ、それじゃ……取り敢えず、始めさせていただきます、ね」
おっかなびっくり雛の腰から尻にかけてを揉み込んで施術を始める。
「そういや、彼氏さんとご結婚なさると聞いたんですが……?」
雛の身体を揉み解しながら、穣は彼女の男女関係について探りを入れてみる。
「うん、まぁ、そう、なんだけどね……。ん、っ❤ 実は、ちょっといろいろ思う所もあって、悩んでて……」
「もし僕でよければ、愚痴くらいなら聞きますよ……?」
雛が悩みがあると打ち明けてきたので、穣は力になれる事があれば、と口にする。彼女はそれに応じて将来の夫に対する不満が多々ある事と、身体の相性が良くなく夜の営みが上手くいっていないことをついつい気軽に彼に愚痴として吐き出してしまっていた。
そうして他愛もない会話を交わしている間にも施術は続いていた。雛は女を悦ばす術を熟知した穣からじっくりと施術を受けたことで蕩かされつつあり、前回同様に艶のある溜息を吐いて時折快感から身体を震わせていた。
色香ある下着を身に付けた妖艶な姿の幼馴染が目の前で快感に震えている。そんな姿を目の当たりにした穣は、このまま手を出しても再びなし崩し的に欲望を満たせる流れになるのではないか、と考えてしまっていた。
前回同様に魔が差してしまった穣は、際どい太腿の付け根付近や尻を直接揉んでみる。
「ふぁ……ぁ❤ ん、ふぅっ❤ すっごく、きもち、いい……❤」
明らかに狙って触れているにも拘らず拒絶反応の一つも見せない雛の様子に、誘われているという事を確信した穣は、彼女の秘唇をか細いクロッチ越しに優しくなぞりながら
「今日は腰回りをすこし重点的にやりましょうか」
空いていた片方の手で雛の腰を抱いて尻を高く掲げさせる。彼女はそれに素直に従った。
雛は既に数度絶頂に至っていた。だから彼女は、愛液を溢れさせてしまってぐしゃぐしゃになっているであろう秘所を穣に対して晒す事になるということへの気恥ずかしさから、自身の枕に顔を埋めて赤面をひた隠しにしていた。
その様に自身の思惑通りに事が運んでいると確信してほくそ笑んだ穣は、手早く道着の袴を下履きごと脱ぎ去って滾った肉棒を露わにさせると、それを蜜を吸ってぐしょぐしょに湿ってしまっているか細いクロッチにぐりぐりと押し付けてみる。
穣が雛の秘唇に滾った肉棒を押し当てながら尻から腰にかけてを揉んでゆくと、ショーツのクロッチ越しに感じられる熱く滾った一物の感覚を得ていた彼女はもじもじと太腿を擦り合わせながら息を弾ませつつ
「んぅ、っ……❤ みのるくんの、すっごく、かたくて、あっついの……❤ あたってる、よぉ……❤」
消え入りそうな声で口にした。それが拒絶ではないことを理解した穣は肉棒を雛の秘唇に向かって更に強くぐりぐりと押し付けながら、内股を揉み込んで刺激を与えてゆく。
穣が暫くなし崩し的な素股に勤しんでいると、
「ひぁ、ぁ❤ みのる、くん❤ だめ、だめぇ❤ そんなに、お○んこ❤ ぐりぐりしたらぁ❤ また、イっちゃう❤ ひな、イっちゃうっ❤ らめ、イくぅぅぅぅぅぅぅぅっ❤」
雛は大きな絶頂を得て気持ちよさそうな嬌声を発して身体をびくびくと震わせてしまう。
絶頂の余韻に浸って呼吸を乱したまま放心している雛のどさくさに紛れて、穣が彼女の尻に挟まるTバックショーツの生地端をぐい、と引っ張ってクロッチをずらした。
とろとろと愛液が溢れ出て来ている秘唇に肉棒の先端が埋まりかけたところで、彼が既に脱衣していて性器が直接交わろうとしているという事に気付いた雛は
「また、おねえちゃんに、むりやり、えっち、しちゃう、んだ……❤ いけない、こ、だぁ……❤」
満更でもない嬉しそうな声音で穣を咎めた。
雛の言の通り無言で肉棒を無遠慮に挿入してしまってもよかったが。それでは趣がないと感じた穣は敢えて彼女の性感を煽るように亀頭で秘唇を擦り上げながら
「雛ちゃんは……こんなにお○んこ、とろとろにしちゃってるけど……えっち、したくない、の……?」
少し焦らし気味に訊ねてみる。お預けを喰ってしまうとは考えていなかったらしい雛は
「ううん……❤ わたしも、えっち、したいっ……❤ ひなの、お○んこ、みのるくんの、おっきな、お○んぽで、いっぱいに、して、ほしい……っ❤」
既に彼に屈している事を暗に仄めかしながら挿入をねだってしまう。
完全な合意を得た穣は雛の腰を掴むと、無遠慮に彼女の膣内へと肉棒を侵入させる。
「ひぁ、うぅぅっ❤ また、なま、でっ……❤ みのるくんの、お○んぽ、はいって、きて、っ❤」
彼女は挿入されただけで再び気持ちよさそうに身体を震わせて悦んだ。
そのまま穣が後背位で突き込んでゆくと、後背位の経験が殆どなかった雛は
「はぅ、んぅぅ❤ みのるくん、だめぇ❤ おく、だめぇ❤ いつもと、ちがう、とこ❤ ごりごり、あたって、るぅ❤ はぁ、っ、はぅ、ぅっ❤ しゅごい、きもちいぃ、よぉ❤」
譫言のように快感に溺れた嬌声を漏らす。雛の初々しい反応を見た穣が抽迭しながら後背位の経験について問うと、
「ひな、うしろ、から……されたの❤ ほとんど、ない、のぉ❤ んぁ、んぅぅ❤ お○んこの、おく❤ しきゅうに、ごりごり、さきっぽ、あたって❤ すっごく、イイよぉ❤こんなの、らめ、らめぇ❤ また、すぐ、イっちゃう❤ ひな、またイっちゃう、よぉ❤」
雛は経験が少ない事を認めながら呼吸を乱して絶頂へ向かって駆け上ってゆく。
女性を悦ばす手管を駆使すればするほど快感を返してくる雛の名器ぶりに珍しく余裕を失わされていると自覚していた穣は、彼女の絶頂に合わせて無言で膣内に精を迸らせる。
「んぅ、ぅぅっ❤ こ、これ……なかで、でてっ❤ やぁぁっ、なかだし、だめぇぇっ❤ お○んぽ、どくどく、してるの、わかっちゃう、のぉ❤ なかだし、せーし、だめ、なのにっ❤ きもちいぃ、きもちいぃ、よぉぉっ❤ ひぁ、らめ、また、イくぅぅぅぅぅっ❤」
雛は穣が膣奥に放った大量の精液の感覚を得て、それだけで再び絶頂に至ってしまった。彼女は脈動する肉棒をしっかりと膣肉で咥え込んだまま、気持ちよさそうに身体をびくびくと震わせて余韻に浸っている。
「はぁ、はぁ……ふぅっ……❤ もう……っ❤ また、なかで、せーし、だしちゃったんだ……❤ きょうは、たぶん、だいじょうぶな、ひ、だから……❤ いい、けどぉ……❤ こないだは……ほんとは……なまえっちも、なかだしも、だめだったんだから、ね……❤」
雛は肉棒が引き抜かれたことで秘唇から溢れ出た、ショーツのクロッチを白く汚しながら太腿や敷布へと滴る精を指で掬い取りながら、艶のある溜息を吐きつつ穣に抗議する。
そんな雛の様子がとても妖艶だったから、穣はそれだけで再び肉棒が滾ってゆくのを感じていた。
穣は仰向けになって息を整えつつ秘唇から溢れ出た精液をちり紙で拭って後始末に勤しんでいた雛を押し倒してしまう。
「えっ、ちょっと、まって、だめ❤ やだ、また、おっきく、なってるぅっ❤ だめ、みのるくん、だめ❤ イったばっかりの、ひなの、お○んこに、お○んぽ、いれちゃ、だめ、だめぇぇぇ❤ ん、んぅぅぅ、っ❤」
穣の突然の行動に驚いた雛は再び滾った一物を今だ精液を溢れさせている秘唇に再び突き立てられてしまったことで、それだけで最早何度目かも分からぬ絶頂へと至ってしまう。
一度の性交で数度の挿入に至れる男性に今まで出会った事がなかった雛は、驚きつつも満たされなかった欲求を解消されていく事に多幸感を覚えていたから、素直にそれに応じて気持ちよさそうに彼の我武者羅な抽迭を享受しまっていた。
穣が肉棒を突き込んで抽迭する度、ぐちゅぐちゅと膣内に未だ溜まっていた精液が攪拌される不躾な音と雛の気持ちよさそうな嬌声が寝室へと響く。
雛が履いたままのTバックショーツは、あちこちが秘唇から溢れ出たまま抽迭されたことで白く泡立った精液と愛液の混合液ですっかり汚れてしまっていたが、最早二人はそれを気にするでもなく雌雄を交わらせ続けている。
いつしか二人は舌を絡めた接吻を交えつつ互いの身体を抱きしめ合いながら絶頂へと向かって昇りつめようとしていた。
「んぁ、ぁぁ❤ みのるくん、だめぇ❤ んぅっ❤ おく、で、また、おっきく、しちゃ、だめ、だめぇ❤ ひぁ、ぁ❤ しきゅうの、いりぐち❤ なまの、お○んぽの、さきっぽで、ぐりぐりしちゃ、やだぁ❤ また、イっちゃう❤ ひな、また、イっちゃうよぉぉ❤ ん、んぅぅぅぅっ❤」
雛が譫言を口にしながら再び大きな絶頂に至った。彼女の膣は咥え込んでいる穣の肉棒から精を搾らんと膣壁を蠢動させながらきゅうきゅうと締め付けて射精をねだってくる。
穣は雛の身体の求めに応じて、彼女が絶頂に至るのに合わせて膣奥に肉棒を挿し込んだままで再び彼女子宮口に目掛けて大量の精を迸らせてゆく。
精が膣奥で弾けた感覚を得た雛は蕩け切った表情で穣を見つめる。彼が唇を奪うと、彼女も嬉しそうに舌を絡めて愛情を表現する。
どちらともなく息継ぎの為に唇を放した二人は、性器を結合させたまま微笑み合った。
「ん、っ……❤ すご……❤ せーし、いっぱい、なかだし、したのに❤ みのるくんの、お○んぽ……まだまだ、かたい……❤ ひなの、お○んこ、そんなに、いい、んだ……?」
雛が蕩け切った表情のまま問う。穣は頷きながら精液を膣奥の子宮口に塗り込むかのように腰を振るって最奥を突く。彼女は再びあられもない嬌声を口から漏らして悦んだ。
雛は婚約者との性交で快感が得られないのは自身の献身や膣の具合が良くないのでは、と思い悩んでいた。
然るに、穣にたっぷりと愛されてしまったことで、雛は単に身体の相性の問題だったという真相に直面していた。だから彼女は、穣から与えられる快感を素直に受け入れてしまっていた。
まだまだ満足していなさそうな、続きを欲するもの欲し気な表情を浮かべる雛の様子に、穣は大きく頷いくとゆっくりと抽迭を再開する。
「ん、ぅぅっ❤ おく、ぐりぐり、だめぇ❤ もう、いっかい……えっち、シちゃう、き、なの……?」
雛が期待の眼差しで穣を見つめつつ、甘ったるい声で問う。彼は無言で頷きながら無言で彼女の唇を奪うと、自らも彼女の膣で快感を貪るかのように我武者羅な抽迭を開始する。
「ひぁ、ひぁぁぁぁっ❤ みのるくんの、お○んぽ❤ ひなの、お○んこの、なか、で❤また、かたく、なってきて、っ❤ だめぇ、おく、だめぇ❤ これいじょう、せーし、おくに、だされたら……ひなの、お○んこも、しきゅう、も❤ たぷたぷに、なっちゃう、よぉ❤」
雛は再び最奥を突く激しい抽迭を受けたことで蕩け切った表情のまま可愛い悲鳴をあげて悦んでいる。
二人の性交は雛の子宮が穣の白濁でどろどろに汚し尽くされてしまうまで延々と続いていった。
転
その日以降、雛は治療という名目に託けて、穣との濃厚な浮気へとのめり込んでいった。雛は穣と身体を交わらせている最中には結納まで済ませてしまっている婚約者の事をすっかり忘れて幼馴染の身体を求めてしまう。それ程に彼女は彼との性交で得られる多幸感と欲望が満たされる感覚によってすっかり蕩かされてしまっていた。
しかしながら、神という立場がある以上婚約者に対して下手に三下り半を突き付ける訳にもいかない雛は、今後どう身を処すべきか真剣に悩んでいた。
身体の相性が抜群で、少なくとも婚約者よりはよっぽど自身の事を大切に扱ってくれる穣の事を心身共に愛してしまっているという事に薄々と勘付いていた雛だったが、彼女には未だ現在の婚約者との関係を破棄してしまうという決断には至れていない。
雛はつい結論を出す事を後回しにして、目の前で得られる快感にばかり没頭してしまっていた。彼女が現実から逃避している間も縁談の手続きは着々と進んでいて、暦は既に師走の半ばに至っていた。
雛の祝言の日は睦月の一日。年末に差し掛かったことで、その日は最早至近だった。
のっぴきならない状況に至ったことで、雛は決断を迫られていた。然るに、やはりその段階に至っても、立場を捨ててまで穣と一緒になるという事を決断できず煮え切れなかった彼女は、苦慮の末に現状を破壊しない道を選択せざるを得なかった。
それはずるずると数か月の間続けていた幼馴染との関係を終焉させるという事に他ならなかった。
雛が次に「訪問施術」を予約していたのは、二十四日の午前中だった。
その日彼女は朝から性欲を持て余していた。彼女は丁度排卵日で、その最中は性欲が亢進されてしまうという、難がある体質の彼女は穣の肉棒を欲して疼いていた。
しかし穣との関係に終止符を打つ事を最早逃れられない雛はそれを無理矢理我慢して、もうすぐ訪れてくるであろう彼に別れを告げなければならない。彼女はそうしなければならないということが非常に憂鬱だった。
そうして暫く雛が青息を吐き出していると、彼女の事情を知る由もない穣が彼女の自宅へとやってきた。最早施術という「建前」は二の次で幼馴染との性交が目的となっていた彼は当然彼女と今日も身体を交えられると期待していた。だから、
「来てくれて、ありがとね……」
「早速、始めましょうか……?」
穣は出迎えた雛の肩を抱いていつもの通り唇を奪おうとした。しかしだ。
「あっ、だめ、だめ……。えっと、ね……実はね、もう、穣くんとは、えっちできないの……。来月一日に私はいよいよ彼と祝言をあげることになったから、さ……」
雛に接吻を遮られた挙句、その流れで関係の終了を告げられてしまった穣はその場で色を失い固まってしまう。
「穣くんは、もしかしたら……えっち、したかったかもだけど……わたしも、ね……本当はえっち、したかったけど……もう、だめ、なんだ……。いきなりで、ごめんね……」
寝室ではなく居間へと通された穣は、そこで彼女の口から今まで問題を棚上げにして快楽に溺れてしまっていたことと、その間に手を打たなかったばっかりに最早破談にするのが難しい程のところまで話が進んでしまっていたということを告げられていた。
「でも、ちょっとずるずる引き摺りすぎた、かな……」
露骨に肩を落とす穣の様子に雛も思う所があったのだろう、彼女の口からは自身も彼との間柄に対して並々ならぬ悔恨があるということが打ち明けられる。
それについては穣も薄々勘付いていたようで、
「うん、それは、僕もなので……やっぱ、お互い様、ですかね……。僕が、もうちょっと積極的に、いっていれば、結果はもしかしたら、違ったのかな……」
欲求不満の解消相手という立場に甘んじたことに敗因が一理あるだろうと、自己分析の結果を語った。雛はそれを耳にしたことで、互いに想い合っていたという事に気付かされていた。
「今更、遅いかもですが……ずっと、好きでした。それこそ、小さい頃から……。僕は雛ちゃんが初恋でしたし……。でも、ずっと言い出せなくて……。だから、この数か月間、ずっと憧れだった雛ちゃんと身体だけでも恋仲になれて、すごく嬉しかった……」
最早叶わぬと理解ったうえで、穣は思いの丈を雛に伝えた。彼女はそれを聞くとつい感極まってしまう。彼女は両想いだった筈が、互いが決断できなかったばっかりに両片想いのまま悲恋を迎えてしまったという事を知り、それを深く悔いてしまっていたのだった。
穣との関係に終止符を打った雛は、夕刻になるとめかし込んで人里へと出かけていた。彼女の目的は婚約者との逢瀬だ。
昨今洩矢神社の現人神が新たな文化として持ち込んで流行させた「基督神の生誕祭」という概念は、今ではすっかり人里に根付いていて「西洋の神のお祭り」として親しまれるようになっていた。
それを外界と同様にその機会を逢瀬の切欠に使う者も少なくない。雛もまたその大多数のうちの一人になろうとしていた。
雛は今晩自宅に帰るつもりがなかった。彼女は人里の端にある待合茶屋に婚約者と共にしけ込んで一晩を過ごそうと計画していたから、彼がきっと気に入るであろう勝負下着を身に付けて期待に胸を膨らませていた。
正常位や後背位といった男性上位の体位では婚約者が独善的な性交に至りがちで、満足な快感を得る事は出来なかった雛だったが、昨今穣との性交をする途上で学んだ騎乗位であれば、彼とでも辛うじて性感を得る事ができるという手応えを彼女は感じつつあった。
性交に関する問題は多少解決されたものと理解していた雛は、穣との関係を喪った事に対して踏ん切りをつけるために、いっそ危険日である今宵に夫となる男の種を受けて孕んでしまおうと考えていた。
師走の末であるから、正酉ともなると日が落ちて辺り一面に夜の帳が降りている。
雛は待ち合わせ場所である、この日の為に河童の技術供与で電灯が装飾された樅の木の前で婚約者が現れるのを待ち侘びていた。
辺りには雛と同じく逢瀬を目的とした男女の二人組が多数見受けられる。しかしながら、彼女の相手は一向に現れない。彼女はかれこれ正酉から半刻程も待ちぼうけだ。
何かあったのだろうか。不安で落ち着かない様子を見せていた雛の許に一人の少年が駆け寄ってくる。彼の顔に彼女は見覚えがあった。
「厄神様、だんな様からご伝言です」
少年は彼女に恭しく頭を下げながら声を掛けた。彼は雛の婚約者が主宰する商会に丁稚奉公に出ている者達の一人で、主に商会と雛ちゃんとの連絡伝令役を担っている者だった。
少年から婚約者より言伝っていた内容を聞いた雛は表情を曇らせる。それが
「今晩はのっぴきならない事態が発生したため帰宅は困難だから、先に帰っていてほしい」
という約束を反故とする内容であったから、雛が落胆してしまうのも無理はなかった。
寂しそうに肩を落とした雛は、伝令役の少年の頭を撫でてやりながら丁寧に礼を告げる。任務を果たした彼は再び恭しく彼女に頭を下げると、再び来た道を駆けていった。
「……はぁ……。なんか、ほんと、ばかみたい……」
雛は煌びやかな電飾が施されて七色に光る樅木を仰ぎ見ながら深い溜息を吐いていた。
所詮婚約者にとって自身の存在は常に二の次。所詮自分の都合や仕事が伴侶となる人物よりも優先される。今まで同棲してきて分かり切っていたその事を改めて突き付けられ、思い知らされてしまった雛は落胆のまま自宅の方向へと足を向けていた。
雛が帰宅を始めた時、丁度雲行きが徐々に怪しくなりつつあった。彼女が十分少々歩いて里の中心に至った頃には、いよいよ小雪がちらつき始めていた。普段ならさっさと飛んで帰るような場面だが、この時彼女はどうしてもそうする気分になれずにいた。
雪が降るなどというのは想定外で傘の手持ちがなかった雛は、緑髪や特徴的なリボンに降り積もった雪を湛えたそのままで、とぼとぼと里の端へ向かって歩いていた。彼女がとある筋との交差点に至った時だった。
「あ、あれっ!? 雛さん……? どうしたんですか、そんな雪まみれで……」
雛は穣にばったりと出くわした。まさか午前中に袖にした相手に、惨めな気分である最中に声を掛けられるとは露とも思っていなかった彼女は心配そうに様子を窺いながら自身が持っていた傘を差し出してくる彼の胸元に思わず飛び込んでいた。
穣は雛に袖にされたことで、傷心を慰めるべく封印した筈の楼閣遊びを今夜だけ解禁してしまおうと画策して、目的地へと向かっている最中だった。
自身の胸に抱き付いて感極まってしまっている雛の肩をそっと抱いた穣は
「取り敢えず、僕の自宅へ行きましょう。このままじゃ絶対風邪ひいちゃいますよ……」
寒さで凍えている彼女に優しく声を掛ける。彼女はそれに涙を零しながら小さく頷いた。
出かけたばかりでまだ熱が残っていた暖炉に新たに薪をくべて使用可能な状態へと戻した穣は、雛に手拭を差し出した。彼女は泣き腫らした表情で小さく礼を口にするとそれを素直に受け取って雪で濡れた衣服や頭髪を拭い始める。
「服、結構濡れちゃってますね……。本当に風邪をひきそうだから、一旦脱いだほうが、いいかも……」
彼女が普段着としている深緋色のワンピーススカートは随所が水分を吸って色濃くなってしまっていた。それを着用している限り身体の熱は奪われ続けてしまうだろう。彼の提案はこの状況では非常に適切なものだった。
雛も穣が言わんとしている事を理解出来たから、彼の言に素直に従って、いそいそと上着を脱いでゆく。
穣の眼前には、彼が午前中見る事が叶わなかった深緋色の薄布とレース生地とが縫い合わされて形作られた草花を象った刺繍が随所に縫い込まれている、勝負下着と言うべきTバックショーツとブラジャーの下着セットを身にまとった雛の姿が晒されていた。
本来なら婚約者の為に用意してきたものであろう雛のそれを目の当たりにした穣は、彼女の下着姿の美しさに思わず感嘆の息を吐き出していた。
「やっぱ服脱いじゃうと、ちょっと、さむい、ね……。ごめん、みのるくん……おふろ、借りても、いいかな?」
「あっ、はい。もちろん、どうぞ! 寒いでしょうから、しっかり温まってください」
服を脱いでしまったことで、雛は身震いしていた。彼女から要請を受けた穣はそれを快諾していた。
穣の自宅の浴室には彼の母が持つ河童の伝手を利用して作られた自動給湯式が備わっている。雛をそこに案内した彼は
「ごゆっくり、どうぞ。この雪だとちょっと帰るのも大変そうですから……仮眠できるように、寝床も用意しておきますね。浴衣は僕の予備ですみませんが、ここに置きますので使ってください」
雛に声を掛けると早速作業に取り掛ってゆく。彼女は至れり尽くせりの状況に申し訳なさを感じながらも、穣の好意に甘える事にして、消え入りそうな声で再び彼に礼を告げた。
穣が寝室で予備の布団を自らのそれの隣に敷いて寝床の準備を整えていると、湯浴みを済ませた雛が浴衣を羽織ってやってくる。男性用であることから少しぶかぶかなそれを身に纏った彼女は一心地ついたようで、醜態を見せてしまったと謝罪を口にしていた。
雛が着ている浴衣は彼女の身体から発せられる湯気や汗、そして拭いきれていなかったらしい水分を吸って薄く透けてしまっている。
雛は先程まで身に付けていた下着を再度着用していたようで、それらは透けた浴衣越しでもはっきりと視認できた。穣はそんな彼女の姿を見て思わず生唾を呑み込んでしまっていた。
穣は既に上着をすっかり脱いでしまっていて、自身の布団の中に潜り込んでいた。雛が再び身震いしている様子を見た彼は
「こうすると、あったかいですよ。ほら、遠慮せずに……」
雛に同衾を勧めた。彼女は頬に紅葉を散らしながら頷くと、浴衣を柔肌から滑らせて床に落として、おずおずと彼が包まる布団へと潜り込んでゆく。
布団の中で穣に抱き付いた雛は、彼と別れてから再会するまでの間にあった出来事を愚痴として零しながら涙ぐんでいた。彼はそれを彼女の再び冷えつつあった身体を優しく抱いて、何も言わず相槌を打ちながら聞いてやっていた。
一通り溜まっていたものを吐き出した頃には、彼等が包まる布団は互いの体温によってしっかりと温まっていた。落ち着きを取り戻したらしい雛は、人肌の暖かさを感じて
「えへへ、あったかい、な……❤ きょうは、もう、ひとりで、さびしく、こごえながらすごすのかな、っておもってたから……うれしい❤」
嬉しそうに微笑んでいた。感想を口にしながらそっと抱き付いて来た雛を、穣は改めてしっかりと抱きしめる。
無言で見つめ合った二人は自然と接吻を交わし始める。それが舌を絡めた濃厚なものへと変わるのには、然程の時間を要しなかった。
雛は自身の柔肌を抱いたことで敏く反応した穣の肉棒を器用に下履きから取り出して撫で擦りながら
「はぅ……っ❤ みのるくんの、お○んぽ❤ もう、こんなに、なってる……❤」
自らの身体に欲情してくれているということを確認しながら、嬉しそうに口にする。
穣も雛の行動に合わせて彼女の股間に手を伸ばすと、か細いショーツのクロッチ越しに股間をまさぐっていたから
「雛ちゃんの、下着、すっごくえっちで、かわいい、し……。それに、すっごく、いい匂いが、するから……。でも、そう言う雛ちゃんだって、もう、とろとろ、ぐしょぐしょ、だよ……?」
それはお互い様であろうと指摘する。彼のそれに照れ臭そうに頷いた雛は
「ふふ、そう、みたい、だね……❤」
蕩けた表情で穣の顔を見つめながら口にした。
「……えっち、しちゃう……?」
雛が息を弾ませつつ頬に紅葉を散らしながら問う。それに穣は
「雛ちゃんが、その……いい、なら……」
あくまで彼女の意向次第であると告げた。彼としては勿論雛からの誘いには応じたいところではある。だが一度立場があるという理由で関係を解消されてしまっている手前、彼女が是と言わねば我を通す事は難しいということを彼はしっかりと理解していた。
穣が言わんとしている事を理解した雛は小さく頷くと、
「わたし、もう、がまん、しないことに、した、の……❤ あさから、ずっと、えっちしたくて、たまらなかったのに……。わたしは、ずっと、まっててあげたの、に……。あのひとは、わたしのことなんて、どうでも、いいみたい……。だから、ね……❤ みのるくんに、ひなのこと、だいて、ほしい、の……❤ ひなのこと、いっぱい、きもちよく、して、ほしい、の……❤」
婚約者には愛想が尽きたと吐き捨てつつ、穣の身体を求めて彼の身体に乗りかかってくる。
雛はすっかり蕩けてしまった表情のままで自ら蜜を吸ってぐしょぐしょに湿ってしまっているショーツのクロッチをずらして秘唇を露わにさせると、
「みのるくんの、おっきな、お○んぽ……ひなの、お○んこに、いれて……❤ いっぱいに、してぇ❤」
穣の肉棒の先端を膣口に押し当てながら挿入をねだる。彼女の要望に応える事を決した彼は雛の腰を掴むと自ら腰を押し出して、彼女の膣に硬く滾った一物を侵入させてゆく。
「ん、んぅぅぅぅ、っ❤ みのるくんの、すっごく、あつくて、かたい、お○んぽ……❤ はいって、きたぁ、っ❤ ん、ぅぅ❤ はぁ、はぅっ❤ お○んぽ、きもちいぃ、よぉ❤」
雛は早速挿入された肉棒に悦びながら、自ら腰を浮沈させた抽迭で快感を貪り始めている。彼女の膣内はすっかりとろとろに蕩けてしまっていいて、穣の一物をしっかり咥え込んだまま、精を搾らんとする肉襞がじっくりと舐り上げてくる。
一度は諦めた想い人との性交であることから、穣は既に余裕を失っていた。雛の抽迭に合わせて自身も下から突き上げて彼女と共に快楽を分かち合って、性交に溺れてゆく。
そんな互いを蕩かせるような激しい性交は長く続く筈もない。雛が数度絶頂に至ったところで射精感を堪え切れなくなった穣は
「ひな、ちゃん……っ……そろそろ、でちゃい、そう……っ!」
雛をぎりぎりまで悦ばせようと腰を振るいつつ、我慢の限界であることを告げる。すると、
「あの、ね……❤ わたし、ね……❤ じつは、きょう……なまで、えっちしただけでも、デキちゃうかもな、くらい……あぶない、ひ、なの……❤」
雛は彼が予想だにしなかった事実を蕩け切った表情のまま口にする。とんでもなく蠱惑的な告白を受けた穣は思わず彼女の顔を見つめる。彼女はそれに蕩けた表情のまま微笑むと
「現人神に、きいたんだけど、ね……❤ 生誕祭のよる、は……おくりもの、を……おくりあう、しゅうかんが、あるみたいなの……❤ わたしは、んっ❤ ここ……❤ お○んこの、おくに……みのるくんにあげたい、ぷれぜんとが、ある、よ……❤」
恍惚の表情で子宮口を自らの意思で肉棒の先端に擦り付けながら、自身の「卵子」がクリスマスプレゼントだと宣う。
雛が志していたのは、不承不承契りを交わす男には内密で本気で愛した幼馴染の胤を受けて新たな命を育むという、所謂「托卵」という行為だった。
「だから、ね……❤ ひな、も……ぷれぜんと、ほしい、の❤ みのるくんの、せーし、ほしい……❤ ひなの、えっちな、きけんび、お○んこに……せーし、いっぱい、なかだし、してぇ❤ ひなの、しきゅうに❤ みのるくんの、せーし❤ たぷたぷになるくらい、たねづけ、して、ほしい、のぉ❤」
雛は恍惚の表情のまま、種付けの膣内射精をねだってくる。それを耳にして彼女の可愛いおねだりに応えるべく意を決した穣は、彼女の身体を抱いて絶頂へと向かって駆け上るべく、突き上げる抽迭の速度を早めてゆく。
「ひな、もう、イくぅ……イっちゃう、よぉぉ❤ みのるくんと、いっしょに、イきたい、よぉ❤ ひなの、お○んこに、いっぱい、なかだし、してぇぇ❤ ひなの、しきゅう、に、せーし、いっぱい、かけてぇ❤ みのるくんの、あかちゃん❤ ひなの、おなかの、なかに❤ ぷれぜんと、してぇ❤ あっ、イく、イくぅぅぅっ❤ ん、んぅぅぅぅぅぅぅっ❤」
雛が膣内射精をねだりながら一際大きな絶頂へと至った。穣もそれに合わせて彼女の子宮口に亀頭の先端・鈴口を擦り付けながら精を迸らせる。彼の精液がどくどくと膣奥に注がれる感覚を得た彼女は
「はぅぅ、っ❤ しゅごい、いっぱい、でてる……❤ みのるくんの、あかちゃんの、もと……❤ ひなの、お○んこの、おくで……とぷとぷ、って❤ なかだし、されちゃってる❤ みのるくんの、せーし……すっごく、きもちいい、よぉ……❤ こづくり、えっち、しゅごい、よぉ……❤」
数分も続いている射精を膣奥で感じ取って、蕩け切った表情のままに下腹部を撫でていた。
雛の膣奥にたっぷりと注がれた精液は早速彼女の子宮へと侵入しつつある。その先遣隊は揺蕩っていた命の源と邂逅を果たしていた。
「きょう、は……ひなちゃんが、まんぞく、するまで……お○んこが、たっぷたぷに、なっちゃうまで……なかだし、するから……! ぜったい、はらませる、から……!」
穣が宣言して抽迭を再開させ、雛も嬉しそうに彼から与えられる快感に溺れつつあった時には、彼女の胎内では早速新たな命が育まれ始めていた。
二人は穣の宣言通り、雛の下腹部が膣内射精された精液によって少し膨れてしまって、彼女の履いたままのショーツが溢れた精液でどろどろに汚れてしまうまで、存分に雌雄を交わらせて愛情を確かめ合っていた。
そんな彼等の性交は、東の空が白み始め、雀や鳩の鳴き声が聞こえてくるまで延々と続いていた。
結
雛は結局、愛想を尽かした筈の婚約者と不承不承で祝言を挙げて夫婦になっていた。彼女は夫に一つ小さな嘘をついていた。それは、初夜たる年始の一日こそが子供を孕む事ができる最適な時期、つまり危険日であるという欺瞞だった。
既に幼馴染の子を身籠ったと確信していた雛は、いよいよ夫にも膣内射精を解禁して彼に種付けの成功経験を与えてゆく。
厄神の跡継ぎを誕生させる事を期待されていた雛の夫は頗る張り切っていたが、既に雛の子宮には先約があった。だから彼が目的を果たす事は遂に叶わなかった。
自身こそが雛を満足させ得る唯一の男であると信じて疑わない様子の彼女の夫は、結局妻が不義の子を身籠っているという事に気付けぬまま、彼女が懐妊したという報せを受けて、それが自分が生み出した世継ぎであると錯覚してしまっていた。
雛は悦に浸る夫の姿を見て、托卵の成功を確信して内心ほくそ笑んでいた。
それから数か月後。臨月に至った雛の胎はすっかり大きく膨れていた。
雛の胎に宿る子が、祝言を挙げる前から存在する不義の子であるという事は彼女と本当の父親以外は知り得ていない。彼女はこれを誰に告げるつもりもなく、その事実を永久に秘匿していく事を既に決していた。
そんな雛は臨月を迎えてから安産に向けて身体を整えるという建前で穣の医院へと足繁く通っていた。
穣は主に雛の為に永琳の助けも借りて「妊婦外来」なるものを新設していた。それは完全予約制で、逆子など難産になりそうな胎児の整復を専門行うという診療科だ。
治療実績が重なってゆくにつれて、里の婦人の間で実際に逆子が直ると評判となり、結果として穣は以前よりも忙しい毎日を送っていた。
実のところ、雛に関して言えばそういった専門的な治療は一切必要としない程母子ともに健康だ。それでも彼女がその「妊婦外来」に足繁く通っているのには別の理由が存在した。
この日妊婦外来の午後枠で予約を入れていて、その時間通り訪れた雛は、診察室ではなく穣が寝起きする寝室へと当然のように案内されていた。
雛の真の目的は、妊娠してしまったことで未婚だった頃とは比べ物にならないくらい亢進されてしまった性欲の発散だった。
この日も午後から穣を「貸切」にした雛は、乳房や秘唇が丸出しの、性交を行う為だけに作られたと言っても過言ではない黒いレース生地だけで出来た下着を身に付けた姿で早速彼の上に跨ると、大きく膨れた胎を撫でながら恍惚の表情のままで快感を貪っていた。
「ひなちゃん、やっぱり、まえより……おっぱい、おっきく、なったよね……」
「ん、そう、なの……❤ すっごく、はっちゃって……❤ ん、っ❤ だめぇ❤ そんな、ちくび、かりかりしちゃ、だめぇ❤」
穣は雛の母乳が詰まって張りつめた乳房を優しく揉み解していた。時折彼がぷっくりと膨れた乳頭を指で刺激する度、彼女はびくびくと気持ちよさそうに身体を震わせていた。
「ひなちゃん、まだ、ぼにゅう、でないの?」
「ん、っ❤ まっ、まだ、だよぉ……❤」
穣からの問いに、雛はゆっくりと腰を浮沈させながら蕩けた表情で応える。
「そろそろ、もんだら、でるかも、っておもって……ほら、こう、して……っ」
穣はゆっくりと雛の最奥を突きながら、彼女の乳房を搾るように少し強めに揉んでみる。彼女はそれだけで強烈な快感を得てしまったようで、あっと言う間に絶頂へと導かれた。
「だめ、だめぇぇ❤ ふぁぁ❤ あふ、ぅ❤ ひぁ、らめ、でちゃう、でちゃぅぅ……❤ ん、ぅぅっ❤」
雛が絶頂に至った拍子に、彼女の乳房からは白い液体が飛び出た。溢れ出たそれを穣は迷うことなく口で受け止めた。
「ん……あまい……。あかちゃん、ごめんね……おとうさんが、さきに、のんじゃうね」
味について短評を口にした穣は、ぽたぽたと母乳を滴らせる雛の乳首を咥えて舌で転がしながら舐ってゆく。彼女はそれだけで軽く絶頂に至ってしまっているようで、彼女の身体が気持ちよさそうに震える度、彼の口腔にはどんどん母乳が放出されてゆく。
母乳の味を雛にも確かめて貰いたいと志向した穣は
「ほら、ひなちゃんも、のんで、みて……」
そう口にすると彼女の乳首を咥えて搾った母乳を口腔内に湛えて、彼女の唇を優しく奪う。
「ん、ぁ……っ❤ らめ、ひなの、ミルク……くちうつし、されちゃ……っ❤ ん、っ❤」
雛はそれを拒めず、やや強引に自身の母乳を口移しで飲まされてしまう。
そんな倒錯的な行為にも興奮を覚えてしまっているらしい雛は、自身の口腔内に広がるほのかな甘みと自身の舌を絡め取ってくる穣の執拗な接吻で絶頂を得て気持ちよさそうに身体を震わせる。
そんな雛とのじっくりと互いを蕩かせ合うような性交を半刻程も続けていたことで射精感が限界に達そうとしていた穣は、彼女の絶頂に同期して自らの子が宿る臓器目掛けて、彼女を孕ませた子種を無遠慮に迸らせた。
「ひぁ、ぁぁ……っ❤ ぱぱ、ミルク、お○んこの、おくで、でて、るぅ❤ イっちゃってる、お○んこに……みのるくんの、お○んぽで、なかだし、されるの……❤ きもちいぃ、よぉ❤ んぁ、んぅぅぅぅぅぅ❤」
雛は穣の逞しい肉棒で膣内射精される事がすっかり病みつきになってしまっているようで、最近はそれだけでも容易に絶頂に至るようになってしまっていた。
事後、父母二人は後始末もそこそこに生まれたままの姿で抱き合って
「産まれてくるの、たのしみ、ですね……!」
「うん、そう、だね……❤」
雛の胎に宿る新たな命の誕生に思いを馳せていた。
すっかり蚊帳の外に置かれてしまっている雛の夫は最早子を養う事以外を妻から求められなくなっているという事に、不幸にも気付けていない。
それは間違いなく、雛の気持ちに気付けなかった鈍感さへの神罰であると言えるだろう。
雛はこの調子では二人目も穣の胤で孕んでしまうのだろうな、という直感を得ていた。
そうなる事をむしろ望んでしまっている雛は、穣の肩に頭を預けつつ、再び彼に種付けされる未来を願いながら、嬉しそうに胎動する自身の胎をいつまでも撫で続けていた。
作品キャプション
「おく、しゅごい、よぉ❤ こんなに、きもちいぃの、しらない、しらない、のぉ❤」冬コミ用の雛ちゃんNTR作品です。
有償リクエスト頂いていたシチュエーション
・見た目は普通の気の良い、または優しい妙齢のお兄さん。中身は超テクニシャンな性豪
・火遊び、またはあてつけくらいの軽い気持ちだったのにハマってしまった新妻
という指定から、幼馴染の穣子ちゃんの息子(楼閣仕込みのクッソテクニシャンなマッサージ師)にとろとろにされちゃってついついハマってしまう婚約済み彼氏持ち雛ちゃんのお話を書いてみました!
リクエスト頂きまして、誠にありがとうございます。
えっちな雛ちゃんが上手く書けていたなら幸いです。
冬コミ(C101)では二日目西う-06aでこちらの作品を書籍化したものを頒布してました!
メロン通販:https://www.melonbooks.co.jp/detail
/detail.php?product_id=1719245
しかしクリスマスの危険日雛ちゃんを放置するとは何たる不届き者か。
そんなダメ男なら托卵に気付かないのもやむなしですね……神罰神罰ゥ!!